選ぶ基準は?失敗しないフェイスシールドの選び方
フェイスシールド、一般的な生活の中で使う事はあまりなく、感染症対策としても圧倒的にマスクですよね?
したがって、いざ必要・欲しいとなった際には、いったいどれが良いのか正直迷ってしまいます。
しかも、COVID-19の影響でフェイスシールドも様々なものが多数販売されており、お気に入りを見つけるまでにうんざりしてしまうかもしれません。
そこで、今回はフェイスシールドの試作を繰り返し試行錯誤して造った経験を基に、それぞれポイントを整理してみました。
この内容が、フェイスシールド選びで「いったいどれが良いの?」と悩まれる方のご参考になれば幸いです。
①価格で選ぶ
フェイスシールドの需要は、COVID-19により急速に高まりました。様々な市場調査において販売金額統計や今後の市場規模の予測が出されており、急上昇から緩やかには転じますが上昇傾向を維持する内容を示すものが多いです。
ただし、その多くはディスポーザブル(使い捨て)タイプです。使い捨て=安いのは、ある意味当然です。1回数千円・数万円のものを使い捨てるなんてことは、一部の超富裕層くらいでしかできません。
インターネットなどの表示価格だと、例えば同価格でも1つ5,000円のものもあれば、同じ5,000円でもシールド部分のみ交換・使い捨てタイプで50枚入のものあるといった様に、同じ価格や同じ様に見えても、抗ウイルス性能の有無など、性能・機能・材質などによって全く違う単価ということもあります。
そこで、価格で選ぶポイント=どういった頻度・場面・予算にするのかを整理しておくことが重要と考えられます。
- 単回使用? or 継続的使用?
- 衛生面のみ? or 感染症対策?
- 見た目や機能性もこだわるのか?
- 予算はどの程度?
上記のような項目を照らし合わせることで、必要に応じたものを考えると比較的選択肢を絞ることができます。
②性能・機能で選ぶ
前項の価格に連動する部分にもなりますが、使用ケースから性能・機能を考慮することは、フェイスシールド選びで最も重要と言えます。
感染症対策を目的として考えるならば、飛沫を防止するだけのものよりも「抗菌・抗ウイルス」の性能が付加されたものの方がより良いと考えられます。もちろん、飛沫を防ぐ・飛ばさないだけでも意味があると思いますが、着脱時も含め抗原が付着したままの製品を触ってしまうリスクもあります。
多くの方が既にご存知の通り、新型コロナウイルスは数種類の遺伝子型があり、その遺伝子型や付着したものの材質にもよって差があるようですが、その残存期間は数時間から数日という研究結果も出されています(国立感染症研究所発表の資料などでご確認頂けます)。
そう考えると、感染症対策強化を目的とした使用においては、より早く付着した菌やウイルスが生存・感染しない状態となるものの方がより選択肢としては上位となるでしょう。
しかしながら、抗菌・抗ウイルスという言葉自体はよく目にしますが、その性能を製品に付加しようと思うと、やはりそれなりのコスト=原価がかかります。その上、それらの性能が各種認証などを取得しているとすれば尚更です。
筆者が見るに、製品の多くはそもそも抗菌・抗ウイルス性能自体が付加されていないもの、その記載はあっても認証などの表記がないものがあります。
それ以外にもUVカットなどの付加価値の有無なども、使用シーン次第では重要となるでしょう。
筆者の懸念事項として、感染対策にて使用しているにも関わらず使い捨てのものを継続使用したり使い回している場合があるのではないかと感じています。この懸念は、不織布の使い捨てマスクの継続使用を目にする場合が多くあることに起因しております。
不織布マスクについては、洗濯して使用する場合、ある程度は性能が維持されるかもしれませんが元の状態よりも性能が落ちてしまっていると考えられます(そうでないもの中にはあるのかもしれませんが)。
これでは何のための使い捨て、何を目的にしたフェイスシールドなのかが分からなくなります。これは、コストと目的を明確に区分・整理していないことから発生する事象だと想定します。
【ワンポイント豆知識】
殺菌・除菌・抗菌は、どの様な違いがあるかご存知ですか?詳細は記載しませんが、それぞれ意味が違います。また、各種法律で記載出来る内容が決められています。
例えば、殺菌は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(医薬品医療機器等法や薬機法と略されます)にて対象となる医薬品や医薬部外品の表示に用いられます。
除菌・抗菌は上記に該当しない雑貨品にも記載が出来ますが、抗菌に於いては日本産業規格(JIS)にその定義が定められています。
他にも制菌・静菌・滅菌など、その効果によって似ていても違う記載もあります。
重要な事は、正しく理解して購入・使い分けをご自身で行う必要があるということですね。
次に機能ですが、こちらも千差万別です。シールド(フィルム)部分の上下等可動式、装着・着脱方法、反射防止など様々です。それ以外にも各製品それぞれの仕様(サイズ・重さなど)も考慮に入れると良いでしょう。
使用する場所、時間(長さや時間帯)、動き、それ以外も含め使用シーンに合わせた選択をお勧めします。
医療ドラマを想像してみて下さい。長時間・汗・無影灯・視野など、考慮すべき要素が多くあります。長時間=軽くて装着感でのストレスが少ないもの、汗=拭くためのスペース確保や可動有無、無影灯=反射や映り込みが少ないもの、視野=視界が広い・視界視野の妨げがない・視界がクリアであるもの、などが考えられます。
筆者が機能を重視する理由としてはストレスです。フェイスシールドやマスクの着用で多く聞かれる声としてストレスがあります。元々装着すること自体が多少のストレスになるのかもしれませんが、機能・仕様を考慮せずに選択すると、より一層の負荷となると考えます。
■性能・機能で選ぶポイント=目的・場面・負荷(ストレス)を考慮することが重要と考えます。
一様には言えませんが、性能・機能が良いもの=それなりの価格になることも考慮しましょう。抗菌・抗ウイルスの記載があっても、公な認証取得の有無なども含めると更に選択肢は絞ることが出来ますし、求める機能がしっかりと説明・公表されているものを選択しましょう。
③見た目で選ぶ
①及び②の項目にて、ご自身の目的に対応したフェイスシールドはある程度絞られてきているのではないかと思いますが、やはり見た目へのこだわりも付加価値の一つです。これは特に選択される方の好みの問題なので、必要・不必要も個人差はあります。
同じ価格・性能・機能であれば、必要だからといっても嫌々着けるより、選択できるのであれば、少しでも自分の好みにあったものを選ぶ事もストレス軽減策の一つですし、対価としての満足度も想像できます。(上記内容は、あくまで個人購入の場合になるかもしれず、企業や団体などの場合には項目5を参考にしてみて下さい。)
■見た目で選ぶポイント=好み、HP・広告媒体などの画像・映像などを参考に。
④環境への配慮で選ぶ
世界的に環境への配慮が求められています。
製品そのものや、その製造過程において環境対策への取り組みが盛り込まれていることを考慮に入れることも、選択肢自体が社会的貢献になり得るポイントと考えます。
例えば、感染症対策として、飛沫防止目的でシールドのみ使い捨て交換出来る製品と、シールドの抗菌・抗ウイルス性能が1年継続使用出来るのものを単純に廃棄量で比べた場合、年365日換算で364枚分の廃棄量の差が生まれます。この例だと、仮に使い捨て製品で250日使用×40円/枚だと仮定し、もう1方が1年間1万円/枚で同等コストとなり、使い捨て製品がそれ以上の価格・使用頻度であればコストカットにもつながります。そのコストカット分の金額を環境対策の何かしらに充てることもできるかもしれません。
(上記内容は単純に比較出来るものの例として記載しており、ディスポーザブル製品を否定したり、環境の問題になると指摘しているものではございません)
上記はあくまで例ですが、その様な環境面からの捉え方も今後は選択肢の一つに成り得ると考えます。
⑤その他
企業や団体で購入するという場合も多いと思います。その際には、これまでの項目で挙げてきた内容を基に、数点からの選択(まとめ購入での割引率など、検討事項にコストがある場合には注意)や、複数名・複数部署での意見聴取も、手間はかかるかもしれませんが失敗しない選び方として考慮に入れるのも良いでしょう。
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まとめ
全5項目にて、フェイスシールドの選び方のポイントを記載しました。これからフェイスシールドを購入するという場合には、是非当記事も参考の一つとしてみて下さい。
日本では2021年11月現在、コロナ感染者数が大きく減り、一旦収まってきている様に見えますが、海外では日本と同等のワクチン接種率でも感染が再拡大している国もあります。
筆者は、以前動物医療関連の職についていた経歴があり、感染症予防のワクチンも扱っておりました。投与・接種すれば100%予防出来るというものでない限り、「ワクチン接種=絶対感染しない」、「かかっても絶対に重症化しない」ということではありません。ワクチン接種者が感染を広げてしまうリスクさえ無いとは言えないのです。
その様な状況の中、フェイスシールドが必要になった際、当記事が選択される方々の一助になれば幸いです。